12月 262012
 

ミンスキーのモデルには3種類ある。
1つは保守的な「ヘッジ」型出資者で、その活動は資本コストをまかなうだけの所得を生み出す。
「投機」型出資者は、資産価値の上昇分によって、負債の元利返済を狙っており、市場をさらに高騰させる。
そして、「ネズミ講出資者」たちは、短期または長期で費用をまかなえるが、こげつきをある程度隠し通してかなりの儲けを懐に入れられる。

ミンスキーによるビジネスサイクルの説明は、こんな感じだ。

サイクルの出発点は、不景気で期待が沈滞しているところだ。回復の勢いが増すと、事業収益があがってバランスシートが回復する。
しばらくはみんな、前の景気停滞の記憶があるので慎重だ。
でも、経済成長が続き、技術的なブレイクスルーでそれに拍車がかかったりなんかすると、利潤も増えて、将来の成長に対する期待も高まる。
慎重さも失われる。ますますアニマルスピリットがかきたえられ、銀行は融資を大盤振る舞いして信用が拡大する。
慎重な投資家ですら、収益機会を見すごしてはいけないとばかり、この上昇気流に参加する。

この時点でバブル期が訪れる。
ミンスキーが「多幸症経済」と呼んだものが勢いづく。これはレバレッジの高いネズミ講出資者を呼び込む。かれらは負債の返済に資産価格上昇をあてにしており、かれらが参加することで、市場はさらに押し上げられる。
ますます市場は、根本にある資産価値ではなく、市場の気分や動きに基づく投機に支配されるようになる。

ネズミ講参加者もときどきは破綻するが、成長期だと、そうした破綻は単発的なできごとだと思われ、全体的な意味は持たないと思われる。
だが、バブル後期になると、経済活動の相当部分は投機ファイナンスに支配されているので、ネズミ講業者の破綻は突然の気分転換をもたらしかねない。
投資家たちは、同じような腐敗が他にもあるのではと恐れるのだ。
すると、一斉に融資を回収しようという動きが出るため、破綻はさらに増える。これはネズミ講業者だけでなく、持続的な経済成長をあてにしていた、投機機関もそうだ。
経済は突然クラッシュして、不景気となり、慎重さと保守性への(一時的な)回帰が起こる。
(P38~39)

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