7月 162013
 

『捕食者なき世界』 を読みまして、わたし的にも「日本の山にも、ぜひオオカミの復活を…」と思っているのですが、実現はなかなか難しいようです。
※オオカミ復活計画はこちらの方がやっています → 深刻な農業・林業被害 害獣対策としてのオオカミの導入

オオカミ導入反対論者の言い分にも理があるんですよね。
主にシカの食害が増えた時期と日本からオオカミが消えた時期がリンクしていないのです。
つまり、「オオカミがいなくなった→その結果→シカが増えた」というはっきりとした構図があれば、「シカを減らす=オオカミの導入」という等式も成り立つのです。しかし、現状はオオカミの消滅とシカの増殖に因果関係は認められていないのです。

オオカミは、もう明治期になるとほとんど絶滅状態でした。
シカの食害がひどくなったのは、ここ30年くらいです。つまり、まったくオオカミとシカの関係性が見当たらないのです。
ですから、海外で言われているような最上位の捕食者=オオカミの導入によって、被食者=シカの数が減るかどうかというのは、未知数の部分があります。
わたしとしては効果はあると思いますが。

別の本『イマドキの野生動物』(宮崎学)を読んでいると、以下のような記述がありました。

(サルの害に関しての記述の要約)
かつては、どこの集落にも野良犬がいたり、放し飼いにされている犬がいたものでした。そして、それらがサルを集落に近づきすぎないようにしていました。いわば「犬猿の仲」の効果というものです。

では、現在はどうでしょうか?
山犬・野良犬はおろか、家犬でも放し飼いで、飼っている家はほとんどありません。

そこで、サルの害に悩むある集落で実験的に、犬の放し飼いをしてみたそうです。
そうしたら、効果てきめん、サルはむやみやたらと集落に近づかなくなったそうです。

日本でも最近「モンキードッグ」というものを、サル害対策に使っているところが出始めましたね。

最上位の捕食者(トッププレデター)の役割は、草食動物を捕食して数を統制することだけだと思われています。
しかし、こちらの『捕食者なき世界』を読めばわかるように、捕食するだけでなく、被食者に「恐怖心」を植え付けることもするのです。
つまり、存在そのもので、被食者を統制する効果があるのです。

今はまだ、サル追いのためのモンキードッグにだけ注目されている感じです。
捕食者としてではなく、統制者として活用できれば、サルだけでなくイノシシやシカにも有効かもしれません。
いわば「コントロール・ドッグ」です。

オオカミのイメージはどうしても肉食動物、捕食者としてのイメージが強く、導入には高い壁があるでしょう。
ですから、ここは1つ妥協して、犬を導入するのです。

こちらの動画の紀州犬や川上犬など、日本固有のイノシシやシカには強いけど、人間には対しては性格が穏やかな犬を害獣パトロールとして野山に放つのです。
もちろん、首輪にGPSをつけ、管理はきちんとします。

シカの数を減らす効果はあまりないかもしれませんが、犬にパトロ-ルさせることで、シカの行動範囲は狭まると思います。
ですから、尾瀬におけるミズバショウの食害対策などには良いかもしれません。

オオカミの導入は嫌だけど、犬ならば、まぁいいか、という人も多いと思います。
ネーミングも「パトロール・ドッグ」と、ちょっとカッコ良くしてあげれば、世間の風当たりもないでしょう。

ツイートツイート

Ads by Google 楽天市場 アマゾン

現在コメント投稿は停止しております。